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私たちが見つけたのは、
かなり大きな木のうろだった。
そんなに大木ではないのに、
当時の私たちにとっては、
真っ暗で吸い込まれそうな
大きな木のうろだった。
入口のすぐ前には草が生え、
しかも崖になっていたから、
ここの前を通る人は、
崖に落ちないようにするのが
精一杯で、
きっとうろになんか
気づかなかっただろう。
草をそっと避けると、
うろの中から、湿ったような
臭いがして、
奥が微かに見えた。
私たちは手を繋いで
うろに入った。
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