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奥からペーターのお母さんが出てきた。
痩せたペーターとは対照的に、ふっくらした優しそうなおばさんだった。
手に、湯気の出る器とフランスパンを切ったのを持っていた。
私は体中傷だらけだった。
ペーターは私の服を脱がし、上半身の傷に薬を塗っていた。
おばさんは私を一目見ると、机に食べ物をおいて、
私の前に屈んで私の顔を見た。
「*****…?」
おばさんは私に優しく何か聞いた。
でも私にはドイツ語がわからなかった。
何も答えない私の返事をイエスと取ったのか、
おばさんは私をいきなり抱きしめた。
「大丈夫大丈夫」
おばさんはドイツ語で繰り返した。
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