ケンカ

20/27
前へ
/2148ページ
次へ
雄也くんは、 桶を持って 暗い食堂のドアを ガシャっと開けた。 そのまま、 私がまだ行ったことがなかった、 台所の裏のドアを出た。 ドアの外には、 すぐ森になっていて、 その手前に、 ガスの機械とか 電気メーターとか 水のタンクとかがあって 微かに、ジーっていう 音がしていた。 台所の屋根が 森ぎりぎりまで張り出していて 雪はほとんどなかった。 雄也くんは、 桶を地面に置いて、 大きな水のタンクの てっぺんの蓋を開けて そこに、桶の中の雪を 背伸びして入れた。
/2148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2925人が本棚に入れています
本棚に追加