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『メイ、ママに
捨てられたの?』
私は暗い食堂で
突然きいた。
その夜、ケンカ以来、
ずっと気になっていたことだった。
『メイのママ、
もう迎えに来ないの?』
ずっと気になっていたことを
ついに口に出した。
軽い調子で
聞いたつもりだったのに、
雄也くんは
私の前に屈んで
私の両肩に手を置いた。
私はただ
雄也くんを見つめていた。
雄也くんは何度も
口をつぐんだ。
『捨てられたんじゃないぞ、メイ。
きっといつか、
メイのママは、
迎えに来てくれるよ』
雄也くんは言った。
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