お正月

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私と梨良は 切ったかまぼこを うさぎの形にして 重箱に入れた。 そういうことをしても、 食堂のおばさんも、 きんちゃんも、 静かなおじいちゃんの園長も、 少しも文句は言わなかった。 むしろ、かわいいと言って 喜んでくれた。 恭平は、 小魚を竹串に挿す代わりに 全部はんぺんに埋め込んだ。 和馬は黒豆を ようじに挿して 食べやすくしようとした結果 すべての豆に ヒビが入った。 出来上がったのは、 見た目は決してよくない お節料理だったけど、 きんちゃんたちは すごく喜んでくれた。 私たちは、 自分たちが作ったものを 誰かが喜んでくれることが ものすごく嬉しかった。
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