お仕事

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窓の外を見るとまだ夜の帳に包まれた夜の街 外は静かで人通りはなく、綺麗というよりもむしろ不気味に近い。 「夜が明ける前に片づけないとな。」 そう呟いて部屋の中へと視線を戻す。 いくら夜が深いとはいえ仕事の最中だ、長居して危険に足を突っ込むことはない。 スッと近づきターゲットを確認する。 部屋の主、つまりはこの屋敷の主人はベッドで安らかな眠りについている。 「…寝相悪いなおい。」 布団はめくれあがり枕はベッドの外に投げ出されている。 パジャマの上もめくれて恰幅のいいお腹が… もちろん俺は男色家でもなんでもないのでおっさんの腹チラには全くもってときめかない。 むしろそんなのにときめく特殊な奴っているのだろうか?… まぁいい、枕が投げ出されているのはある意味好都合だ。 ベッドの脇に落ちている枕を拾い上げる。 最近流行りの低反発の奴だろう、なかなかいいものを使っているが頭の下にいないのでは枕がかわいそうだ。 俺はためらいなくその枕を男の顔に押し付ける。 「もが…!?」 そのまま足のホルスターから銃を抜き取り押し付けた枕ごと撃ち抜く。 パシュッパシュッとわずかな音とともに男から痙攣とも硬直ともいえない反射的な反動が返ってくる。 「ハイ終わり。」 そのまま動かなくなった男を残して屋敷を後にした。
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