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「はい、あーん☆」
あたしが熱で混乱してるところに更に混乱させようとするグレン。
あーん(はぁと)なんて出来ないわよっ///
「い、いやっ、いい・・!あだじひとりででも・・・」
「そんな、遠慮しないで下さい♪
あ、そうか。それとも口移しが良いんですか?」
ニヤリとあやしく笑うグレン。う、うわっ!なんか怖いっ・・・;
「あ、あーんでぃぃ・・;」
「そうですか?
じゃあはいvVあーん☆」
「・・・パクッ
・・・おいし・・・」
玉子の煮加減なんか、カンペキ。ふわって優しい味がして・・・おいしい・・・かも。
「でしょ?」
「・・・・っ・・・///」
な、なんだか冷静になって考えるとめっちゃ恥ずかし・・・//新婚さんじゃあるまいし。
・・・・結局、鍋のお粥全部グレンに食べさせてもらっちゃった、あたし。
でも今日のグレン優しいな・・・くすぐったい---・・・//
「それじゃ、洗い物にでも行ってきますね」
「えッ・・・あ、うん・・・」
あ、行っちゃうんだ・・・
待って、行かないで。
・・・なんて簡単な言葉だけど、プライドが邪魔して言えない。可愛くないあたし。
「・・・っ」
「・・・あ、やっぱり後ででいいですね。お薬飲まないといけませんし」
グレンはあたしの性格なんか解っているのか、すとんとまた腰を落とした。
・・・はぅ(泣)
「あ・・・薬苦いから嫌っ」
「ダメですっ。
飲まないと元気になれませんよ?」
困り顔で言うグレン。
それはそうなんだけど・・・
「おいしくないんだもん」
「プッ・・・
全く、困ったヒトですねぇ」
呆れたような顔でグレンはいう。むぅー・・・ムカつくっ・・・///
「でもやっぱり飲みましょう?ね?」
「・・・・ん」
あたしはグレンが持っていた薬を受け取ると、ゆっくり口に運んだ。
「う・・・苦い・・・;」
「はい、水です♪」
「あ、ありがほ・・ッ」
まだ苦い味が広がってる。
薬をなんとか水で流し込んだあたしは、無意識の内にため息が出てしまう。
「ため息なんかついて・・・どうしました・・・?」
「ごめん。本当に・・・あたしさ・・・その・・・」
「・・・・はい、解ってますよ?素直じゃない上あまのじゃくだという事くらいは」
「―――;また人の心読んで・・・;!」
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