『SWEET DAYS』

3/3
前へ
/81ページ
次へ
………で。 ぼーっと、現場のスタッフさん達が準備してるのん見てたら。 その中の一人が美希達の方に走ってきて。 「すいません、秋月さん!!…どうも間に合いそうに無いです…」 何が間に合わないんだろ? でも振り向くのはヤダから聞き耳だけ立てる。 やっぱり。って、溜め息混じりに律子が呟いて。 「そうなるだろうとは思ってましたから。大丈夫ですよ」 「ありがとうございます!!じゃあ…20分後に撮影開始で…お願い出来ますか?」 「ええ。その準備に関しても手配済みですから」 そうなる?大丈夫?準備?手配?え? 頭の中、分かんないことだらけになって思わず振り向いたら。 「ではお願いします!!」 そう叫んで、スタッフの人が走って戻ってくとこで。 「さて。じゃあちょっと行ってくるわ」 って、律子は立ち上がって何処か行こうとしてるとこで。 ちょ、ちょっと!! ここで律子に行かれたら何がなんだか分からないんだけど…。 だから律子に聞いた。 ちょっとあわててたかも。 そしたら。 最初に決まってた共演者の人が、なんか契約上?だかで揉めてたらしくて。 来ないかもしれなくて。 それ、律子は最初から知ってたから。 その場合に合わせて準備してたんだって。 …って手短に教えてくれた。 「え…っていうことは…」 「そ。私が代役よ…何か問題でも?」 ニヤニヤ笑いながら。美希の顔をのぞきこんで。 あれ…でも。じゃあ。 「…さっきから律子がマジメに見てたのって…もしかして今日の台本?」 「まあねぇ。急な代役だからって手を抜くのは私の主義に反するもの…それに」 それに? 「振り、とはいえ」 キスシーンもあるしね。 呟いて。準備しに行っちゃった。 …なんか。 後ろからだから顔は良く見えなかったけど。 赤かった気がする…。 そう思ったら。 釣られて美希も顔が赤くなってくる…。 あー、もう…。 本当にしちゃおうかな、キス。 こんな大事なこと。 コイビトに黙ってたのは許せないの。 うん、キスの刑。 カメラにバッチリ撮して貰うんだから!! SweetSweetDays 口づけをした、ふたり‐
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加