事故現場

2/5
前へ
/20ページ
次へ
今日は水曜日。 白石が通院する日だ。 完璧に練った計画を引っ提げて、私は国道筋の脇に敷かれた歩道を歩いていた。 20メートル先には、痛々しく左足をぶら下げて、スチール製の松葉杖を脇に挟んだ白石が歩いていた。 香澄は計画通り、中成で仕事に溢れた日雇い労働者を確保し、車を与えていた。 それすらも人を介しているので、五十嵐家と実行犯に接点はない。 たとえ、香澄までを突き止めたとしても、私まで届く事はない。 私はただ、白石を蔑むだけ。 二度も私の鼻を明かした白石に相応しい死を与える。 考えただけで身体中に恍惚の痺れが走った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

222人が本棚に入れています
本棚に追加