事故現場

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時間の流れが急にゆっくりとなった。 動かなければ轢かれる。 しかし、身体は恐怖に凍りつき、まったく動かす事ができなかった。 このままでは死ぬ! かほりがいなくなった五十嵐コンツェルンは、私が継がないといけないのに! 身体は動かない。 なぜこんな事に! かほりがいなくなったから。 白石が私を謀ったから。 もしや香澄もグルなのか。 「麗子様危ない!」 香澄の声が聞こえた瞬間、私は何かに突き飛ばされた。 緩やかだった時間の流れが急に加速する。 私は歩道を転がり、膝を擦りむいた。 車は歩道脇にある倉庫の壁と激突してようやく止まった。 そして、壁と車の間には香澄が挟まれていた。
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