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「もう気づいているとは思うが、その今期の天使の見習いに彩女君が選ばれた、ということだ」
彩女は近藤の言葉に、胸の奥が熱くなるのを感じた
「あの、見習いって基本的に、何をすればいいんですか?」
「主に、俺達の手伝いだよ。
他にも基本的な家事は、彩女に任せることになるな」
彼女の問いに、今度は近藤ではなく、土方が前に出て説明し出した
「良く言えば、家事手伝い。
悪く言うと、雑用係ってとこだよ」
「おい、総太!余計なこと、言うんじゃねぇよ!!」
突然会話に入ってきた沖田は、土方の言葉に悪びれる様子もなく、ヘラヘラと笑っていた
「・・・と、いう訳だが。どうだい?彩女君。この、しきたりを実行するには本人の同意が必要でな。
受けてみるかい?」
沖田と土方の会話に、近藤はわざとらしく咳をし、優しく彩女に尋ねた
彩女は、自分の意志で事が決まると言われ、急に緊張の二文字が頭を、すり抜けた
もし、断れば私は何処に行けばよいのだろう
まだ此処に来て、間もない彩女には情報が少な過ぎる
出会ってまだ1時間も経っていないが、近藤達も悪い人達ではないだろう
そして何故か、自分の頭が誘いを了承しろと五月蝿く、鳴いていた
「・・・はい。未熟者ですが、よろしくお願いします。」
深々と頭を下げながら、彩女は天使になる道を選んだのだった
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