守護者の力

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私達はなんとなく恥ずかしく しばらくうつむいていた すると聞き慣れた声が聞こえてくる 「よっ羽月! おはよーさん」 いつものように爽やかかつ明るい小早川先輩だ。 「あ…おはようございます」 私がそう返すと先輩は レイルを興味津々に見ている 「あれ?そのこ誰? 初めて見る顔だな」 先輩はあくまで興味本位で聞いていたが何故かレイルは 嫌そうな顔になった 「……?」 私は何故だかわからなく怪訝に思った でもレイルの機嫌が悪いのは明らかだ このままほっておくとレイルの機嫌は氷点下にまでなりそうだったので 私は口を開いた。 「…あっあの先輩! この人は私の……………………いつっ…いとこなんですぅ!」 ……噛みすぎた それにありがちな設定にしてみたが、よく考えるとこんな美少年と血が繋がっていたら私はもっと綺麗なはず。 ……バレるかも…。 私はひやひやしながら 先輩の反応を待った けど先輩はすぐ表情を 明るくして言った 「へーそっかあ♪ いとこなんだな。名前は?」 「あっえっと…」 「苗字は?羽月と一緒?」 慌てる私に容赦なく質問責めをしてくる 「はっはい!桐生くんです!」 声が裏返る うまく嘘はつけているだろうか……いや多分つけてない 私は本当にひやひやしている けれどやっぱり質問は容赦なく降り懸かる 「桐生くんか じゃあ下の名前は?」 「あっそれは…その…」 下の名前は少し言いづらい 『レイル』なんて珍しすぎる ……まあ本当の名前だし…普通に言えばいいよね… そう思い口を開きかけると 「レイだ。桐生レイと言う」 レイルが変わりに答えた 偽名…と言っても一文字短縮しただけなので偽名と言えるかは謎。どちらかと言うと仮名に近い 「へぇ…レイくんか カッコイイ名前じゃん」 「…………………どうも」 先輩は愛想いいがレイルは表情をいっさい変えない ……すっごい無愛想だ そんなレイルを目の当たりにしても先輩は気にしてないようだ 「あっじゃあ俺朝練だから、じゃあなー!」 方向を変え、先輩は 「じゃまた後でな!…羽月と………レイ…くん」 そう意味ありげな笑顔でレイルの名前をつぶやいた
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