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運命や契りって
本当にあるのかな
ふとそう思ったのは17歳
の誕生日のこの日だった。
私はいつも通り放課後、帰
り道平凡に歩いていた。
何処にでもいるごく普通の
女子高生の一人に過ぎない私は運命などという言葉はあまりよくわからなかった
ただ思っていたことは運命
などに出会う子はきっと特
別な子なんだろうというこ
とだけだった。
「私は平凡だからそんなことは起こるわけないんだろうなあ…」
この時は本心でそう思った
この時、既に私の運命が大
いに回り始めているなんて
夢にも思わずに。
「よぅ。羽月(うづき)!
なにしてんだ?」
「えっ…こっ小早川先輩っ
いつからいたんですか?」
「んー?お前が独り言言い出したときから」
…最初からですね
「ははっお前ってなんつーかふわふわしてるよな!」
「…先輩。ボーッとしてるって言いたいんですね…」
「えー?ちげーよ。なんかこ~…ふわふわしてて可愛いって意味だぜ?」
満面の笑みで先輩は言う。
「えっあっ…からかわないでください…。てゆうかやっぱりそれボーッとしてるって意味ですよ!」
えーそうかな?
そう言いながら先輩は考える。
私はうっすら顔が熱くなる
のを感じていた。
彼、小早川翔馬先輩は学校の委員会で知り合った
先輩である。
出席番号が近いことで席が
近くなり親しくなった。
なかなかテキパキ出来ない
私をいつもフォローしてく
れてなにかと話しかけてき
てくれる優しい人。
私は少し先輩が
気になっている。
恋なのかはわからないけど先輩に話しかけられると
心臓が少しドキドキする。
絶対恋だと友達には言われたけど自分ではなにかが違う気がする。
『なに』が違うのかはわからないけど心が否定する。
『…なんでだろう』
ふと考えこんだ。
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