記憶

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僕の田舎は何も無く 隣の家まで 数百メートル離れてて 夜になれば街灯もないから 本当に真っ暗で でも 月と星の光がとてもきれいで 夜中なのに 青みがかかった 不思議な薄暗さ 昼間は 街の喧騒もなく ただ静か 風が吹けば 木々が木の葉を揺らす音 春には 新芽が顔を出し 夏には 引き戸を開ければ涼しい風 秋には 日焼けをした木々の紅葉 冬には ゆらゆら降り出す優しい雪 そんな田舎で育ち 僕の物心はここから始まった
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