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「みぃ、わかったのですよ」
「わかればよろしい」
圭一はそう言った。
学校も終わり放課後、私の件もあり部活は中止になった。
医務室には私以外誰もいない。レナと魅音は、学校が終わり次第帰ってしまった。沙都子と羽入は、夕飯の買い出し。
正直言って、圭一以外は皆帰ってしまった。
圭一はというと、教室で一人、今日出すべき宿題をやり忘れて居残りしている。
私は気分が良くなったので帰ろうと思い、圭一にあいさつしに行った。
「あ、いたのですよ」
そう言って圭一の近くに寄って行った。
「お、梨花ちゃんもう大丈夫なのか?」
圭一が聞いてきた。
「みぃ、ぜんぜん大丈夫なのですよ……これも圭一のおかげなのですよ」
そう言うと、圭一は照れたように頭を掻いて、
「そんなことないって、皆がしっかり看病したおかげだぜ」
そんなことを言った。
そして時計をみて、
「うお!?もうこんな時間か?梨花ちゃん、ちょっと待っててくれよな?すぐに準備するから。今日は俺が送っていくよ」
こんなことを言ってきた。圭一と一緒に帰れる、こんなに嬉しいことはあまりない。そして、私は決心する。
「圭一!!聞いて欲しいことがあるのです」
いきなり話かけたので、圭一はびっくりした。
今の圭一の顔、少し可愛かったかも……じゃなくて、言わなきゃ、私の想いを。
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