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「そして魔王様がお亡くなりになり、今に至るわけですが…。
話の中にあった通り、先代は温和な方で、ここを征服し龍王や悪魔に反撃をする、とはお考えになりませんでした。」
ナッツの話を丸ごと全部聞いたわけではない俺は若干話についていけてなかった
「しかし私も含め、皆がその考えには賛同しかねていました。
そして先代がお亡くなりになって、皆が騒ぎだしました。
我々は今、ヴァルハラでの敗戦の痛手を回復し、それどころか以前に増して魔力は増幅しています。
聞けばこの地を収める人間は我々の魔法を知らないとか…。
現に魔王様はご存知なかった!!
これはまさに絶好の機会。
今こそこの地を征服し、ここを足がかりにして龍王や悪魔に反撃し、ヴァルハラを取り返すべきです!!
つきましては魔王様にお願いがございます。
いくら結束が固くとも、それらをまとめる存在がなければ意味がありません。
私が今はまとめておりますが、私はそのような器ではありません。
そこで我々が審議した結果…」
ナッツはそこで一旦言葉を切ると、言いづらそうに口を開いた
「その…。誠に申し上げにくいのですが…。魔王になっていただけますか?」
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