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互いに干渉する事もなく時間だけがただ悪戯に過ぎていく。暫く考えた後に2人が行き着いたのは――謝罪。結局、どちらが良い悪いではなく、無意味ないざこざであると判断したが故の結論なのだ。
そうと決めれば早いに越した事はないと、郁弥は部屋から出て、優弥はソファーから立ち上がった。互いに一寸も違わぬタイミングだった為に直ぐには気付かなかったが、向かう先は交わる為に次の瞬間には気付き口を開いた。
「郁弥ごめん!」
「優弥悪かった!」
互いに駆け寄るように近付いては紡いだ言葉に驚きを隠せない2人。まさか相手が同じ事を考えていたなど思いもよらなかった為に唖然としてしまったのだ。
しかし、その次に聞こえてきたのは笑い声。互いに謝ったという事は互いに許し合ったという何よりの証拠だからだ。
「あーあ、郁弥が謝ってくれるなら謝らなきゃ良かったなぁ」
そんな発言をした次の瞬間に頭を殴られたという出来事はあったが、そんなこんなで2人の喧嘩は幕を閉じた――
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