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3月14日
本当は克実と一緒にどこかに出掛けようと思ったのにな。
断られたくらいであんな態度を取るなんて、俺もまだガキだな。
謝ろうと思って電話を何度も掛けたけど、電波が届かない。
メールの返事も返ってこないし。
一体どこにいるんだよ。
まさか悩みすぎて、なんて事はないよな?
たった3日連絡が取れないだけで、こんなに不安になるなんて・・・
落ち着かない。
俺はいても立ってもいられなくて克実の家に電話をした。
『はい、井上です。』
「あ、克実君の友達の戸丸ですけど、克実君いますか?」
『戸丸?ああ、君が直樹君ね。』
「はい?」
『私は克実の姉の秀実。よろしく。』
よろしく、じゃなくて。
「・・・あの、克実君は?」
『克実は家にいないわ。』
「そうですか・・・また掛け直します。」
『ああ、ちょっと待って!』
俺が切ろうとした時、克実の姉が叫んだ。
『君さ、克実の友達じゃないでしょ?克実が聞いたら多分泣くよ。』
「え・・・?」
『それに、悪いんだけど克実には私でも連絡取れないから掛け直して貰っても無駄よ。』
克実とは反対で、随分と歯に衣着せぬ言いっぷりだな。
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