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ようやく、最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
さすがに、朝からここにいるため、最後の一時間はかなり暇だったが、受験モードに入った授業をただただ受けるよりは、かなりましではあった。
「さぁ~て、帰るか!!」
僕は大きな伸びをして、ベッドから起きようとした。
その時ドアが開いた。
そして、そこにいたのは東風だった。
「あっ、あの…中村君!?」
「はっ、はい!!」
その日、一度も話したことのない憧れの人に初めて名前を呼ばれた。
「今朝のこと、ありがとっ…」
初めて、憧れの人にありがとうを言われた。
僕はもう死んでもいい。心からそう思った日だった。
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