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(僕は馬鹿だ…)
僕は大きなため息を吐き出しつつ思った。
ため息を吐いた理由は一つ…恋だが、僕が惚れたのは高校一人気の少女だったのだ。
僕は中村 絆(なかむら きずな)
そこそこの頭と
そこそこの顔立ちと
そこそこの運動神経…
まぁ、冴えない普通の高校3年生として日々を送っている。
そんな僕だが、一つだけ誇れることがある…それは入学式で彼女に一目惚れしてからずっと一途に彼女だけを思い続けていることだ。
でも、僕は一度だって彼女と話した事がない。
仕方ない…彼女に話し掛けようものなら、彼女の親衛隊に放課後呼び出されてボコボコにされるのが関の山だからだ。
しかし、一つだけうれしいことがある。
彼女には『鋼鉄の女』という異名があった。それは彼女が絶対に彼氏を作らない事から由来している。まぁ、つまりは自分も付き合えないが、他のイケメンや勉強ができる奴、運動神経バツグンなどう考えたって僕が勝てるはずがない奴らも付き合えないのだ。
そんな彼女の名前は、東風 瑞希(はるかぜ みずき)また今日も遠くから彼女を見るだけしかできないのか…
「中やん!」
後ろから呼ばれた。
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