開戦

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「三年一組集合して!!」 人ごみにごった返す京都の駅に級長のヒステリックな声が飛ぶ。 しかし、それに反応する生徒は少ない。 仕方なく泣き出しそうになる級長の横にいた男が怒鳴った。 「はいっ!!集合ぅぅぅっ!!」 生活指導の岡野だった。 岡野に睨まれ、生徒達はしぶしぶ集まる。 「いいか!!お前ら!今日は受験モードから解放されたからって調子のんじゃねーぞ!!分かったか!!」 「は~い」 岡野がキレる。 「あぁぁん!?なめてんのか?もう一回!」 「はい…」 「もう一回!」 「はいっ!!」 しかし、そんな岡野に対して敵対心を燃やしている者がおよそ3名ほどいた。 中村、新城、桐生だった。 特に新城は日頃の恨みからか普段の新城には見られない鋭い眼孔で岡野を睨みつけていた。
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