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重い空気が旅館の一室を覆っている。
一呼吸するのにも重労働をした後のような疲れが押し寄せる。
更に悪いことに約2名の鋭い眼孔と正直何が起こったのか把握出来ないという疑問の眼差しが複数僕達3人に突き刺さっていた。
「さて!」
校長が口を開く。
「これより臨時職員会議を行う。」
岡野を除いた先生達は突然呼び出され中には酔っ払っている者もいた。しかし、しらふの先生達は部屋の中央に正座している3人が何かやらかしたということぐらいは気づいている。
「今回、先生諸君に集まってもらったのは他でもない!中村、新城、桐生の処分についてだ!」
校長はでかでかと言った。
「ちょっと、待った。」
メガネを掛けた細身の男性が立ち上がった。
「なんだね?本郷くん?」
「いやいや、その3人が何したか知りませんがいずれも私のクラスの生徒達です。私がきつーく説教しときますので臨時職員会議を解散してください。校長先生。」
僕は感じた。
本郷先生は僕らを庇っている。
宴会を中止させられた酔っ払いの先生達も口ぐちに言い出した。
「そうですよ。校長!本郷先生に任せましょう。別に我々全員があつまらなくてもいいじゃないですか。」
嬉しいことに臨時職員会議が始まって10秒で事態は収束の方向に動き出した。しかも僕達にとって有利に。
僕はそんな状況に驚きつつもホッと胸をなで下ろした。
そのとき
バンッ!!
岡野がいきなり畳を叩いた。
「甘いっ!!」
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