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あの日
世は多くの理があり、物事のそうあるべき正しい道筋が秩序を保つ。時には何かの拍子で容易く歪む。儚きものだ。
そんな世に人と妖が存在し、決して交じり合わぬ。人は己と違う異形を忌み嫌い、妖もまた敵意を抱き忌み嫌う。
人が正ならば妖は負。光と闇は表裏一体で正と負は相反して見えるが、根本の所で密接に結びつき、切り離せない。
双方は反発し合いながら生き続ける。共存が不可能な為だ。複数の異なった種が争いなく、生存する実現の余地は絶無に等しい。
変わらぬその理はいつからあったのだろう。
神でさえ知る由もない。
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