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(とある深い闇の世界にひとりの少年がいた。その少年は今日も世界を歩く。悲しみと偽りに満ちた、この人間の世界を。)
瞳が映した空は
塗り固められた黒で
心が写した空は
果てもなく蒼で
僕が見た世界は
偽りと悲しみで
満ちていたの
僕が視た世界は
真実と喜びで
満ちていたの
偽りと悲しみだけが
虚しく飛び交う
この世界で
僕は光を見つけてしまう
(失った総てが還ってきたような気がした。)
♪
朱く燃えるような暁
反転した鏡の世界で
僕はやがて真実を
腕に抱き留めるだろう
闇の世界に響く
紡がれる永遠の唄
塗り固められた空に
一筋の光を灯して
世界は白に染まった
仰ぎ見る蒼の果て
僕らの刻(トキ)は廻るの
(そして、止まっていたはずの時間が動き出す。いつか失ったモノたちに逢えると信じて、少年は蒼空を仰ぎ見るのだ。)
《それは僕を支える僅かな真実(キオク)…》
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