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「……切っちゃった」 苦笑しながら俺を見上げる馨さん 思った通り、カップの破片で指を切ったようだ 「馨さんてば、案外ドジだなぁ」 「なっ、悠李くんひどい」 「はは、救急セット持ってきますね」 キッチンに置いてある救急セットを取りに行く その際、無傷な方の手で破片を拾うのを再開しようとしている馨さんが見えたから 「大人しくしてて下さいね?」 そう忠告すると、まるで悪戯がバレた子どものように、少し舌を出して無邪気に彼女は笑う 昼間感じた壁が、無くなった気がした
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