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寝返りを打って、ぼうっと天井を見つめた。思わずため息が出る。 ────あの後、彼女を近くの喫茶店に誘うことに成功した俺は、いつも彼女が待つ“お父さん”のことと、彼女自身のことをいろいろ聞いた。 「はい」 先に座っていた彼女に比較的甘そうなドリンクを差し出すと、彼女は「あ、ありがとう、えっと、お金」と言って財布を出した。 わざとらしさの欠片もない。本気で金を出そうとする彼女に、俺は驚きつつも少し見惚れ、断るのが遅れてしまったくらいだ。
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