坊主頭、華耶との一悶着

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10日も経てば、練習帰りにハクと会うことはもうすっかりと日課と呼べるようなものになっていた。 基本的に俺はバット振ってて、ハクの話し相手は専ら華耶の役目である。2人とも毎日毎日飽きもせずベンチで楽しそうに話している。一応俺も会話に加わったりはするが、大部分は華耶が締める。元々快活でお喋りなため、口数の少ないハクも随分と話しやすそうだった。 俊樹はたまにしか来なく、来ても電灯にチューブを括り付けてひたすらインナーマッスルを鍛え続けるばかりで、ハク達の会話にはあまり入ろうとはしていないように俺からは見えた。それでも話を振られれば笑いながら返していたので、嫌いとかそういうのではないようだが……。 大会前だから、投手として何か思うところがあるのかもしれないけど、投手経験のない俺にはその真意はわからなかった。 華耶にも聞いてみたが、 「わかんない!てかそれよりハクちゃん可愛過ぎだろっ!?」 目がハートマークの奴にまともな返答をもらえるはずがなかったのである……。
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