坊主頭、白との邂逅

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「……河峰秀哉!」 「……はいっ!」 監督に名前を呼ばれ、俺は力を入れた声で返事をした後、坊主頭数十人で構成された円陣の中心に入り、16と書かれた背番号を受け取った。 「ありがとうございます!」 「しっかりやれよ」 「はい!」 今日は4月末にある大会のメンバー発表。 去年はベンチ外だった俺も、とうとう念願のメンバー入りだ! 「……ぬふふふふ!」 自然と笑みがこぼれてしまう。 「やっぱわかりやすい奴だなぁ……だから相手バッテリーにハメられるんだよ」 チームメイト兼幼馴染みである葉山俊樹が溜め息混じりに横からレーキで小突いてくる。 「嬉しいからしょうがねぇだろ!」 「全く……ほらよ」 「サンキュ!さっさと終わらせて自主練自主練~!」 「適当に均すなよ?」 「わかってるよ……お~い、外野手1年レーキ行くぞ~!」 俺の呼び掛けに、ベンチ周辺にいる何人かがレーキ片手にダッシュで集合してくれた。 「すいません河峰さん!」 う~ん、俺も2年生、先輩か……。 多少の違和感を感じつつ、まだ初々しくたどたどしい1年生達と外野のグラ整をした。
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