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友広と友喜は部室に向かって歩いていた。
全ての授業を終えた学校はさっきまでと違って活気がある。
その活気の中にいて友広も何となく元気がでてきた。
その傍らで友喜は後悔していた。
「おいマジかよ……。寝てるんじゃなかった。」
「お前が起きてた授業なんて体育以外にないだろ。そんな風に言うな。」
冷たく言い放ったが友喜には全く効いていない。
「なぁ友広。俺ら友達だよな?親友だよな?」
「いいえ、違います。」
「そんなこと言わずにさぁ、お願い!さっきの授業のノート貸して!」
両手を合わせて前に突き出しながら何度も「お願い!」と頼む友喜が鬱陶しかったので、仕方なくノートを貸すことにした。
「じゃあ帰りにアイスよろしくね。」
「もちろん!うわ~マジサンキュー。」
そうこうしている内に部室に到着した。
すでに何人か着替えていて二人もその中に混ざって着替えを始めた。
「俺さぁラケット買ったんだー。」
部活仲間の直樹が話しかけてきた。
「へぇ~どこの?」
気になった友広が直樹に向かって尋ねた。
「ウィルソンの。フェデラーが使ってるやつあるじゃん?あの赤いやつ。それの少し軽いやつにした。」
「気分はフェデラーってわけね。」
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