概要

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幕末、会津藩主で京都守護職の松平容保の支配下にあった京都の治安部隊。 隊員数、約60名。京都の治安部隊としては、他に旗本、御家人で構成された京都見廻組があり、浪士(町人、百姓身分を含む)で構成される新撰組は会津藩預かりという非正規部隊であった(後年、近藤ら幹部は幕臣となった)。 新選組はいわば“佐幕派”であり、池田屋事件などで京都に潜伏する過激派尊王攘夷論者や不逞浪士の取り締まりにあたった。 その一方で、局長の近藤勇らは新選組内部で凄惨な権力闘争を行い、敵対勢力を容赦なく殺害した。 新選組は現代の若者たちから幕末日本を象徴する存在とみなされ、根強い人気を誇る。 新選組隊士らの墓参りをするファンも多く、“日本史のアイドル的存在”となっているが、明治政府が彼らと敵対する尊皇攘夷過激派たちによって樹立された経緯もあり、近年まで史学的にもほとんど注目されることがなく、現在における人気は子母沢寛や司馬遼太郎らによる新選組をテーマにした数々の小説やTVドラマ・映画等の影響が大きい。 アニメやゲーム、漫画などにもなり、若年層にも高い人気がある。 「テロリズム」という語は、歴史的には体制側、反体制側を問わず組織的暴力行為を指していたものの、近代的意味では反体制側の組織的暴力行為を指すことが多いため、この観点からは当時反体制側としてテロ行為を行っていたのは薩長側であり、新選組は体制側として「テロリスト」の鎮圧に当たっていた。 隊の規律維持のために厳しい局中法度を定め違反者に対し粛清を行ったことや、「誠」の一字の隊旗や袖口に山形の模様を染め抜いた独特の羽織でも知られる。
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