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ヴァルキュリアらが逃げている頃、リンドウは「白いヴァジュラ」を討伐することに成功し、瓦礫にもたれ掛かるように座って一服をしていた。
リーダーになるだけあって、一人で倒してしまうのだからさすがだ。
…グルル―。
またアラガミの唸りが聞こえる。
しかし先程までの「白いヴァジュラ」とは違い、「漆黒の身体」を持ち、これまでのアラガミとは一回りも、二回りも違う、帝王のようなまがまがしさを持ったヴァジュラ種のアラガミだった。
「なんだ…もう来たのか…。ちょっとは休ませてくれよ。身体が持たないぜ…。」
先の戦いで傷付いた、重く、そして疲れきった身体で立ち上がり、煙草を投げ捨てると、リンドウはゆっくりと新たに現れたアラガミへと向かっていった―。
【蒼穹の月】完
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