0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、知ってる?」
小柄で童顔で、
まだ子供みたいな笑みを
不意にしてくる私の母が、
その不意の笑みを私に向けた。
いつもは
そんな勿体振ったような
ウザったい問いを
無視ばかりしていた
親不孝の私だったのだが、
今回はそれを真正面からとらえ
ん?なぁに?と首を捻る。
ふふふ、と母は微笑む。
「コーヒーはね。
高級品の豆を使えば良いってわけじゃないんだって…」
うん、聞いたことある。
そう、私が笑顔で返すと、
母は少しだけ哀愁帯びた表情をし、目をぱちぱちさせた。
悲しげに、眉をひそめて…。
最初のコメントを投稿しよう!