エピソードⅠ

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≪side 朱里と銀治≫ 「なぁ紅、ミヤ君のことどー思う?」 「どうって、蒼が主様だと確信したって言うんだから、そーなんでしよ。」 「まぁあの過保護っぷりを見てたら、そーだろーなーって思ってたけど、オレには主様だと確信できるモノが無いんだよね。」 「確かにね。ミヤ君からは何も感じられないけど、俺はミヤ君に何を言われても、何をされても許せると思うし、ミヤ君を守りたいと思う。」 そう言うのって主様以外の人物には思わないと言う朱里の言葉に、銀治はそれもそうだなと頷いた。 朱里と銀治も龍也同様に雅輝にはあまく過保護だと言う事は自覚している。 「そー言えば、蒼と翠は?」 「2人共そろそろ帰って来ると思うけど、翠は予定よりちょっと遅いね。」 「ミヤ君もいないし…翠が蒼と帰って来る時間が同じくらいだったら、蒼にミヤ君を此処に連れてきてもらおう。」 「そうだねー「!!!?」」 瑠璃が龍也よりも早く帰ってくる予定だったから、帰って来てから雅輝を誘って夕食を食べようと思っていたが、帰って来る予定時刻はとっくに過ぎている。 それに昼休み以降から生徒会業務をしていて、放課後に雅輝を迎えに教室に行ったら帰ってしまっていた。 最近は主捜索や雅輝の事で生徒会業務がたまっており、寝る以外は生徒会室に来て業務をこなしているから、瑠璃も玄武領から帰って来たら生徒会室に来る事になっている。 龍也は生徒会室よりも雅輝の方へ行くだろうと朱里と銀治が話していると、能力測定授業時の様な大きな能力を感じ2人は寮の方へ視線を向けた。 「また白虎?」 「違う、この気配は白虎じゃない。」 「「行ってみよう!」」 この凄まじい威圧感を感じる程の大きな能力は守護聖獣だと推測されるが、白虎でもなく朱雀でも無いと言うと青龍か玄武と言う事になる。 今まで聖獣が顕現した事が無いのに数日の内に白虎と他の聖獣が顕現と言うのには驚くが、顕現する程の何かが起こっていると言う事だ。 あれこれと考えるより大きな能力を感じる方へ行き、何が起こっているのか確かめるのが先決と朱里と銀治の2人は生徒会室を出て走り出した。
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