エピソード2

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≪日常≫ ハクとルビーを作ったと言うより召喚した日の次の日から、雅輝は出る授業で先生達に誉められたのだったが、雅輝は封印具の影響で未だ魔法は使えず、ハクとルビーも雅輝の影響で初級魔法並みの力しか出せず、数日後には落ちこぼれ扱いに戻っていた。 「炎鬼は何でそんなチマイ小鳥の使い魔の言いなりなんだ?」 「………どーしてなんでしょうね?」 「どーでもいいだろ。それよりさっさと授業進めろ。」 皆には雅輝が主で使い魔が聖獣だとはわからないが、使い魔にはわかるらしく従順だ。 使い魔は基本的に自身を作った者の言うこと以外は聞かないのだが、先生の使い魔がルビーの言うことを聞く事に先生は不思議に思っている。 炎鬼と言われた使い魔はその名のとおりに大きく強そうで、ルビーは誰の目からも小鳥にしか見えず、どう見ても炎鬼よりも下級にしか見えないのだ。 これはここ最近の不思議事件として噂になっているが、実際にそれを見ている上級クラス以外の人は嘘話と聞き流しているからあまり噂は広がらなかった。 ***** 「ちょっとーなーんーで、私がこんな事しなくちゃいけないのよー!」 「しょうがないじゃろ、主殿が此処で皆の手伝いをしておるのだからのぅ。儂らも手伝うのは道理じゃよ。」 「う…確かにそーなんだけどさー、って、青龍!何で主様に手伝いさせてんのよッ!自分達でやりなさいよ!!」 「五月蝿い。」 「キーッ!何よーッ」 「ルビー、これはボクがやりたいって言ったんだから、龍を責めないで…」 生徒会室でのこんなやりとりも日常になってしまい、雅輝の能力も封印具のおかげで漏れることなくすごしている。 ただちょっと心配なのは篤人の事で、雅輝はなるべく篤人の側にいてやりたいと思っているし、普段は守護家以外の者と行動を共にする事を嫌う龍也達も雅輝が篤人の事を気にかけているのを知っているし、瑠璃の占いの事もあって篤人が行動を共にするのを了承している。 しかし、篤人の方が遠慮していて最近では雅輝を避けている様に思える。 だからあまり行動を共にできなくて、また酷い目にあっていないかと心配している。 「アツ君、大丈夫かな…」 「ミヤ君、気になるならハクかルビーに見てきてもらえば?」
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