エピソードⅠ

5/99
前へ
/130ページ
次へ
≪おちこぼれ≫ サワサワと心地好い風が頬を撫で目を覚ましゆっくり体を起こす。 「あぁ良い天気だなー。」 そう言って伸びをする黒髪黒目の少年の両耳にはもう挿す所が無い程にビッシリとピアスが付いている。 眉や鼻・唇にもピアス。 そして、舌やヘソ・乳首と通常見えない所にもピアスがある。 これだけの特徴を言うとまるで不良の様だが、いたって普通の子供である。 否、実年齢から比べるとかなり幼い容姿は普通ではない。 この子供は母親に能力封印具を施され虫の息で発見された柏瀬雅輝だ。 発見された時に能力測定をしたが、能力が封印されているせいか微塵も能力が感じられなかった。 だが、母親が必死に隠し能力封印具まで施すのだから秘めた能力があるのかもしれないと母親から離されたまま今まで魔法学園で生活している。 母親から離された時の雅輝の年は5歳だったが、あれから10年経って15歳になっている。 役人達は雅輝に施された能力封印具を外そうと試みたが、それが叶わず外す事ができなかった。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1320人が本棚に入れています
本棚に追加