エピソードⅠ

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雅樹の母親はこの世界一の封印具師。 その封印具師が我が子を取られない様にと言う思いを込めて作って施したのだから、そうそう簡単には外す事が出来る筈が無かった。 この事は学園内には伏せられ一部の上の役人のみが知ってる。 だから能力が無い雅輝は学園では落ちこぼれとして扱われていた。 魔法学園では集められた赤子は能力封印具を施され能力を封印して生活するが、成長し中等部からは能力を見極め能力別にある程度別れて能力に合った実技授業が始められる。 中等部で初めての実技授業での能力の無さで落ちこぼれと皆に認知された雅輝だが、授業内容が対人や戦闘になると雅輝の能力がどんなモノか知ることになった。 それは能力の無効化。 雅輝に向けてどんなに強い攻撃魔法をしても、雅輝を傷付ける事はできなかった。 魔法を跳ね返すでも吸収でも無く、まるで魔法が自然に消える様に無くなってしまう。 正に無効になるのだった。 それはとても凄い事のハズなのだが、雅樹は自分で回復も攻撃も出来ないから、生徒達の雅樹に対する認識はおちこぼれのまま。 しかし大人はそうは思わず、雅輝は能力検査研究所に連れて行かれ、あれこれと調べられた。 調べられても学園に連れて来られた時同様の結果だった為に、様子見と言う事で開放された。 検査にかなりの時間がかかり、開放された頃には高等部に進級していた。 この事がきっかけで雅輝の封印具の事は教員には知られている。
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