エピソードⅠ

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≪side 瑠璃≫ 今日は占いが得意な母親からの呼び出しがあった瑠璃は玄武領に行っていた。 そこで母親から主は見付かっている事を見透かされ、瑠璃が占った鍵の篤人は瑠璃達にとっての鍵ではなく、よからぬ事を画策している輩にとってだと指摘された。 つまり、篤人は主の一番近い所にいる人物だからそれを悟られるなとの警告が瑠璃の占いに出ていたのだが、それを解釈し間違えたのだった。 占いが得意と言っても男の瑠璃は母親程の正確さは無い。 しかし男で占いができるのも珍しく希少なのと、一般的占い師程度には正確性がある為に生徒会では瑠璃の占いを活用している。 「ちょっと遅くなっちゃったけど、皆はまだ生徒会室だよね? 居てくれないと困るなー。」 瑠璃は自分の占いの間違いを早く訂正したくて玄武領から戻ってすぐに生徒会室に向かっている。 「お母様も気が付いていたんだったら早く教えてくれたら良かったのにー!」 生徒会へと向かう道のりでついつい愚痴ってしまうが、母親から告げられた事は占いの間違いだけではなく、急を要するに内容も含まれていたのだから仕方ない。 瑠璃が寮と校舎を繋ぐ通路に足を踏み入れた時に何だか懐かしい気配を感じたが、それはとても威圧感がある程の大きな気配で瑠璃の知る人物には居ない。 「この気配は…玄武?………ッ!!? まさか、顕現したの!?って事は、ミヤ君の危機かも!」 人物としては覚えのない気配だが、生まれた時からずっと自分の身近に感じている気配と同じモノだと言うのは分かるのだが、今感じている気配は今までの曖昧さではなく、はっきりと存在を確信できる程である。 以前に白虎が顕現した時の様に雅輝の身が危機にあっていると思い、瑠璃は今までよりも更に慌てて気配のする方へ走り出した。
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