エピソードⅠ

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≪報告会≫ 気を失っている雅輝を抱き抱えた龍也はそのまま寮の自室に向かっている。 その龍也の後を駆け足で瑠璃と銀治がついて来ている。 「ん………」 「ミヤ気が付いたか?」 「…リュー?…あ!アツ君は?」 自分の状況が把握できない雅輝はキョロキョロと辺りを見回して、篤人が居ない事に青ざめ慌て探そうとしたが、龍也にがっちりと抱き抱えられているから身動きがとれない。 雅輝の問いに朱里が保健室に連れて行ったから安心しろと銀治が答えた。 自室に連れられた雅輝は龍也によって手早く服を脱がされ身体を洗われ、そんな甲斐甲斐しい龍也を初めて見た瑠璃と銀治は目を見開いていたが、龍也が雅輝に服を着せ龍也の股の間に座らせたところで瑠璃は口を開いた。 「えと…、ミヤ君に聞きたい事があるんだけど良いかな?」 「………うん。」 「ミヤ君とアツ君は玄武の作り出した結界に居たところを発見されたんだけど、何故結界の中に居たか覚えてる?」 自分に聞きたい事が一瞬何の事か分からなかったが、自分がいつの間にか龍也達に囲まれている前に起こった雅輝には衝撃的な出来事を聞きたいのだろうと悟った。 しかし、篤人の事を思うと簡単には話す事ができない。 狼狽えた様子で俯く雅輝を見た3人は、自分達が思っていた以上に何かがあったのだろうと推測したが、雅輝の話し難そうな様子に嫌な予感がしていた。 「ミヤ、言い難い事があったのかもしれないが、俺に隠し事はするな。」 「うん…あ、でも………」 「ミヤ君、話してくれたら僕達は何か手助けできるかもしれないよ?」 「生徒会だし、守護聖獣だからな。トラブル解決するよ。」 「う、ん…あの、その…何処から話せば良いか、分からないよ。」 しどろもどろで今にも泣きそうな表情の雅輝に瑠璃も泣きそうな表情になり、銀治も眉をハの字ににして雅輝の前に両膝を付いている。 「やっぱり此処に居た!」 龍也が雅輝に授業が終わってからトラブルに巻き込まれたのかと質問した所に朱里が部屋に入ってきた。 緊迫した表情でつかつかと近付いてくる朱里を見て全員の顔も強張った。
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