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瑠璃は朱里の目を見ながら今一番聞きたい事を聞いた。
「紅には言い難いんだけど、何個か質問するね。まず、朱雀様の側近は敵だよね?」
「俺はそう思っている。」
「朱雀様は?」
「…敵、と思っていい。以前に話をした時、朱雀様は側近の言いなりだった。」
「そう…。じゃあ、紅自身は信用できる?」
「翠!」
「白黙って。紅、僕達は紅を信用して良い?」
「…信用、して欲しい。と、言いたいけど…」
朱里自身は皆を裏切るつもりも雅輝を危険に晒すつもりは無いが、自分の父である朱雀の側近が敵の一味だったのと、何故か朱雀はその側近の言いなりだった。
と言うことは朱雀として父に命令されると朱里には逆らう事ができない。
一応は父から好きなように行動しろと言われてはいるし、不利になる事は素直に言うことを聞くつもりはないが、この先どうなるか分からなく朱里には自分を信用しろとは言えず、両手を握りしめて俯き答える声も小さくなっていく。
「や、ヤダ~ケンカしないでッ」
「ミヤ君!?」
「ミヤ、紅から離れろ。まだ話しは終わってない。」
「やッ!紅様は皆と同じ守護聖獣様だもん!!」
話がさっぱり分からなかった雅輝だったが、まるで朱里がこれから仲間から外れるようで怖かったのと、朱里の辛そうな雰囲気が雅輝にはとても悲しく思わず朱里に抱きついた。
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