エピソードⅠ

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取り外し不可能な封印具の効果で今までの雅輝からは能力は微塵も感じられず、まして主の気配など全くしなかったのに今回は突然に雅輝から主の気が溢れた事にはこの場に居る全員が驚いていた。 「ミヤには取り外せない封印具が付いているのを知ってるよな。」 「確か耳や顔にあったピアスとかだよね?」 「そうだ。だが、それだけではなく身体の外や中に施されていた。 それが、白虎が顕現した日に半数以上が壊れてしまった。しかし残った封印具の効果でミヤの能力はまだ封印されていると思っていた。」 見える部分に付いていた封印具だけでも相当な数だったが、体内にも封印具を施されていた事に皆は言葉無く驚いた。 「じゃあ封印具の数が少なくなったから、ミヤ君の感情の変化で今ある封印具の許容を越える場合があるんだ。」 「今回が正にそれだったんだー。」 「ああ、そうだと思う。それに今回は玄武も係わっていたみたいだから、また封印具が壊れた可能性が高い。」 「なるほどね…で、蒼がミヤ君に付けたのは、ミヤ君の新しい封印具なんでしょ?」 残っていた封印具もヒビが入っていて何時壊れるか分からないし、まだ自分達が守護聖獣として代替わりをしてない今、雅輝が主だとバレるのは雅輝には危険過ぎると思った龍也は、自分の封印具を作ってもらうついでに雅輝のも作ってもらったのだった。 「でも、本人を見てないのに封印具を作れるの?」 「それは大丈夫だ。母親だからな。」 「え!」 「あーなるほどね。」 「だからか~納得ー。」
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