エピソードⅠ

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朱里が出て行った扉を見ながら龍也は、何代か前の主の事が書かれている文献に証しの事が書かれていたなと、先程自分が言った証しの事を思い出していた。 「証し、か…ミヤの背中の印と関係あるのか?」 文献には証が刻まれると書かれていたり、証しとして聖獣が与えられたと書かれていてハッキリと何が証しなのか書かれていなかった。 白虎が顕現した時に雅輝の背中に印が現れていて、その時は白色が虎の様な模様に見え、それ以外の色は勾玉の様な模様だったのに先程見た時は緑色が形を変えていた。 その形はよく分からないが、文献で見る玄武によく似ている気がする。 白色が虎で緑色が玄武と言うことは、残りの赤色は朱雀で青色が青龍になるだろうと予測した。 「今、考えても仕方ないか…」 そう呟いて龍也は寝室に雅輝を寝かせて自分は風呂に入ってから寝た。 ***** 翌日の朝目が覚めた雅輝は昨日の事は途中までしか覚えていなかったが、なんとなく雰囲気的に重要な話だったようなと思いだし、自分が聞いてて大丈夫だったのだろうかと思った。 「龍、おはよー」 「おはよ。大丈夫か?」 「ん?うん。…昨日の夜なんだけど、主様の話をボクが聞いてて大丈夫だったの?」 龍也に大丈夫かと聞かれ雅輝は思った事を聞いてみたら、龍也が一瞬目を見開き固まった。 「龍?」 「あぁ(自分が主様だと気付いてないのか…)ミヤには今後全てを話す。」 「え…?」 「さ、準備して行くぞ。」 今後自分に全てを話すと龍也が言うが、何故だろうと雅輝は不思議に思った。 龍也は雅輝が自分は主だと気付いてないと覚ったが、まだ気付いてない方が良いと考えて暫くはその事を伏せておこうと思い、不思議そうな顔をして龍也を見ている雅輝に朝の支度を急がせた。
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