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魔法を唱えるが先程と同じで魔法陣は現れてもすぐに消えてしまった。
「やっぱりできないよー。」
「んーやっぱり下級使い魔は作れないのかな?」
「それは無いと思うが…」
「やり方か?」
「「???」」
龍也達が雅輝に何を期待しているのか守護家4人で話をしている。
それを雅輝と篤人は不思議そうに顔を見合せ話が終わるのを待った。
「ミヤ君、もう一度魔方陣出してみて。」
「え、でも…」
「今度は使い魔の事は考えないで、自分を守ってくれる存在を思い浮かべながらやってみて。」
「自分を守ってくれる存在?」
「何度か危険な目にあってるだろ。その時の事とか思い出せるか?」
「んー…やってみてみるー」
何だかよく分からないが、皆に言われるがままにもう一度魔法を唱えてみる。
今度は龍也に言われたように、以前に危険な目に遭った時に助けてくれた存在を思い出しながら。
「…白き風よ、我の声が聞こえるか?我の元に来い。」
魔法を唱えていた雅輝だが、途中から勝手に口が動き何かに語りかけた。
すると雅輝の回りに風が吹き荒れ、その風がおさまると雅輝の前に白いフサフサとした毛の塊が現れた。
「おい、大丈夫か?凄い突風だったな~…何だこの猫…イテッ!って柏瀬、それ、お前の使い魔か!?」
突然の事に先生が慌てて駆けつけ雅輝の前にある白いフサフサの塊を見て驚いた。
その塊をヒョイとつまみ上げるとそれはまるで猫のようにフーッと威嚇し先生の手を引っ掻いて雅輝の足元に擦り寄った。
自分に擦り寄ってきた白いフサフサを雅輝は抱き上げじっとそれを見つめる。
その白いフサフサの塊の使い魔らしきモノは、まるで猫のような姿をしている。
「ミヤ君凄いよ!使い魔作れたのミヤ君だけだよー!」
「う、うん…。」
「ミヤ君の得意分野が分かったね!」
篤人と先生は使い魔が現れた事に驚いているが、龍也達守護家は別の事に驚いていた。
雅輝自身は無意識に何かしたような気はしているが、使い魔を作った実感がない。
しかしこの猫のような姿の白いフサフサはどこか懐かしい様な安心するような気がしていた。
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