ハロウィン小説(TOV)

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「ぶっ……ちょ、リタ……」 カロルは両手で口を塞ぎ、笑いを耐えている。 「う、うっさいわね!アンタこそ何よそれ!」 リタは顔を真っ赤に染めながらカロルに叫ぶ。 「だってっ……リタがそんな格好……」 今だに笑いが収まらないのか、必死で言葉を紡ぐ。 なぜ、こんな事態になっているのかは、昼頃に遡る。 下町へと来たリタとカロルは、いつもより賑やかな風景に疑問を感じていた。 所々、カボチャが飾ってあり、しかも子供達の格好がおかしい。 「ねぇリタ。今日ってなにかあるの?」 「私が知るわけないでしょ、ガキんちょ」 そんな事を話していると、テッドよりも少し小さい子供が何人か集まってきた。 「ちょ、何なのよ!」 いきなり集まってきた子供達にリタは戸惑う。 カロルはリタの後ろに隠れてしまっている。 「こらガキんちょ!何であたしの後ろにかくれるのよ!」 普通逆でしょうが!と叫ぶ。 「だ、だって」 「だってじゃない!」 グイッとカロルを前に突き出した。 子供達の目の前に出されたカロルは逃げようとするが、リタの手が肩に置いてあり、後ろに逃げられない。 「あ、あの~なにか用?」 腹を括ったのか、カロルは子供達に問い掛けた。 子供達はニコニコわらい、 『トリックオアトリート!』 と叫んだ。 「……はぃ?」 「お兄ちゃん達お菓子持ってないの?」 「持ってる訳ないでしょ!」 持ってないんだってー、と子供達は話している。 「………お兄ちゃんお姉ちゃん!」 「えっな、何?」 こっちこっちと、子供に手招きをされる。 そして、 「う、うわぁぁあ!!?」 「なぁ!?」 近寄っていった瞬間、バケツに入っていた水を掛けられる。 そのおかげで、二人とも水か滴っている。 元凶である子供達はキャーと言いながら逃げていった。 「な、何なのよあのガキ共!!」 「……パンツまでグショグショだよ……」 リタは憤慨し、カロルは何処か遠くの方を見ている。 「、アンタ達大丈夫かい?」 その時、二人の後ろから声が掛けられる。
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