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次の日の朝。
キュッ
キュッキュッ
バイトの情報誌にペンを走らせ気になる所に丸をつけていく。
「…んー、夜だとどこも勤務時間長ぇな」
時給が高いので出来れば長く働きたいが、学生の身でそれは辛いだろう。
「悩むなこれ……。って、もうこんな時間かよ!?やべぇ遅刻する!」
慌てて支度をし、おんぼろアパートから飛び出していった。
(密かに皆勤賞狙ってんだよな)
そのためには何としても間に合わなければ。
更に走るスピードを上げ近道であるいつもの細い裏道を通った時、
何人かの男が道を塞がせていた。
(おっ、俺だけの秘密通路だと思ってたけど使ってる奴いたのか)
とりあえず退いて貰おうと声を掛ける。
「なぁ、ちょっと退いてくれ…──」
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