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男達に近づき声を掛けようとして気づく。
同じ学校の制服を着ている奴等に1人、中学生らしき背の小さい男が囲まれている事に。
そして明らかにその男は怯えた表情をしている。
(また、ややこしい場面にあったもんだな)
そう苦い顔を作ったその時、
「てめぇ、ふざけんじゃねぇ!!」
ある男が腕を振り上げるのを視界に捉え、反射的に走り込んだ。
「っ…!てぇ……」
流石に拳を止める事は出来なかったが、殴られそうになった男の間に入り背中で受け止めなんとか阻止は出来た。
鈍痛に顔を歪めてから殴った奴にもう止めろと言おうと正面を向いたのだが、
「あ?」
誰1人居なかった。
暫くしてからまた後ろを振り返ると、座り込んでいる少年と目が合う。
青ざめた顔で何か言いたげに口をパクパクしているのが金魚のようでアホみたいだと思っていると、少年はぷるぶると指を震わせなから此方を指差し、こう言った。
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