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病院につくと、たくさんの人に囲まれたおばあ様は、機械をいっぱい付けられて酸素マスクをして苦しそうにしていた。
私の顔をみると、おばあ様は精一杯の笑顔を浮かべ、
父に 私と二人きりにしてくれと頼んだ。
みんなが部屋から出てすぐ、おばあ様は酸素マスクを外し私の手を握った。
「楓、私はあなたに言っておきたいことがあるのよ。」
「何よ、改まって」
「何も言わないで、ちゃんと聞きなさい。あなたのお母さんのことだよ」
「お母さんは死んだんじゃなかったの?」
「だから、何も言わないで、聞きなさい。
時間がないから一気に話すよ。」
何言ってるの、おばあ様。時間がないって、そんなことないよ!
そう言おうとしたが口からでることはなかった、この状況では、そんな言葉はなんの慰めにもならないのは分かっていた。
おばあ様は続けた
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