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「もう私はダメ…。だけど楓のことが心配でね。
立派に大きくなって自慢の優しい子に育ったけど、 あなた純粋すぎるから…
これからきっとお父さんには相談しにくいことも出てくるはず。
そんな時は、あなたのお母さんを頼りなさい。あの住所でお店をやっているそうよ。
あなたは覚えてないだろうけど、母親はあなたを覚えてる。すぐに受け入れてくれるはずだよ。
血の繋がりっていうものはそういうことだから。」
そう言い終えると、おばあ様は急に苦しそうな息遣いをしだした。
「おばあ様大丈夫?」
私は泣きながら、おばあ様に抱きついた。
「私は大丈夫だよ。お母さんのこと、おしえてくれてありがとう。
私は…私は、おばあ様がいつも側にいてくれたから全然淋しくなかった。
厳しく怒られたことも、一緒に泣いてくれた事もとても感謝しています。
おばあ様、大好きよ。」
その言葉を言い終えた時、
ピー
と悲しい機械の音が部屋に響いた
その音とともに、病室の中にお医者様やお父さんが中に入ってきた…
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