再会

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お父さんは、少し怖い声で続けた 「なんで、あんな夜中に一人で出歩いたりしたんだ」 私は、どんな風に応えたらいいのか迷った。 事実を伝えたら、お父さんは悲しむかもしれない。 もしかしたら、もうすでに、分かっているのかも… 私が応えに困っていると病室のドアが開いた音がした。 「誠一さん、コーヒーを買ってきたから少しやすんで、全然寝てないんでしょ。私が看てるから大丈夫」 「いいんだ、お前に任せられるわけない。椿は帰ってくれ」 椿… 吉原 椿 「お母さん?」 私は思わずお母さんを呼んでいた。 「お母さんなの?」 「楓いいか、今日は安静にしていなければいけないんだ。この人には改めて来てもらう。 今日は、全てを忘れて寝ていなさい。」 お父さんは、強く言葉を言い切ると、お母さんを病室から追い出した。 お母さんは何も言わず出て行った。
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