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それからしばらくお母さんと話をしていると、柴田がジュースとプリンを買って戻ってきた。
「椿さんも一緒にいかがですか?」
お母さんが遠慮して帰ろうとする気配を感じ。
「お母さん食べさせて! ほらっ 私の手怪我してるから!」
もっと一緒にいたくて甘えてみた
「おやっ お嬢様は赤ちゃんに戻られたようですね」
柴田とお母さんが笑った。
「怪我してるんだからいいじゃないの!今日だけだから」
「楓は、昔から甘えん坊だから仕方ないわね」
といってうれしそうに食べさせてくれた。
そのあとお母さんが仕事の準備の時間まで、ずっとお母さんを呼び続け いろんな質問をした。
「お母さん」
「なぁに?」
「お母さんは身長いくつ?」
「158cmよ」
「私はね、163cm」
「お母さん」
「なぁに?」
「足のサイズは?」
………………………………
明日も来てくれるようにお願いして、今日はお別れをした。
おばあ様が亡くなってから初めて心から安心して笑えた瞬間だった。
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