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追ってきた警察の足が妙に速かった。
スナックの横を通りすぎる時、仲間のハンギョルが追跡を振り切るため焦って、道に高く積んであるビール瓶の山を蹴り倒した。
その瞬間
「キャー」
女の悲鳴が響いた
ハンギョルは、ビール瓶の下敷きになった何かを確認すると、一瞬強張った表情を見せたがすぐにこっちに向かってきた。
オレは気になってハンギョルに歩みよると、割れたビール瓶の下敷きになった女をみつけた。
悲しくもそこには消えかけた電灯が点滅し、血まみれの女の顔を照らしていた。
オレは盗みはするが、人を傷つけることは一度もなかった。自分たちのせいで、人が倒れている光景を前に、とっさに女の上に乗っているビールの箱を退けた。
「何やってんだ!ほっておけ、すぐサツが来て助けるさ」
「だけど、助けなきゃ」
「おい! ミン、お前捕まりたいのか」
ハンギョルがオレの腕を掴んだ
そして警察の姿がすぐそこまで迫って来ているのに気がついた。
逃げるしかない…
オレは振り返りまた走りだした。
振り返ったとき、最後に女が瞬きするのを確認した
「あの女、生きていたんだ、良かった。死んじゃいないんだ」
オレは胸の中で何度もその言葉を繰り返し走り続けた
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